昨日倫理委員会で承認されましたので、以下の項目を先進医療で申請予定です。
それまでは、希望者には無料で行っております。
1)子宮内膜刺激胚移植法(stimulation of endometrium-embryo transfer:SEET法)
胚培養液上清に存在する胚由来因子に着目した移植法です。
先進医療として申請中です。
エビデンスは「C」と低いですが、低額で行う方針です。
胚凍結をした時に、培養液を凍結しておきます。
胚盤胞移植に先立ち凍結胚培養液上清を融解し子宮腔内に注入します。
子宮内に注入された胚由来因子が子宮内膜の胚受容能獲得を促進する効果を期待します。
先進医療で行っている二段階胚移植と同じ原理要領ですが、胚を移植しないで胚培養液上清を子宮腔内に注入しますので多胎妊娠のリスクを防げます。
2)IMSI(intracytoplasmic morphologically selected sperm injection)
6,000倍に拡大する精子選択技術を用いて形態観察で精子を選別し顕微授精を行ない、培養成績を向上させます。
普段の倍率では確認できない精子頭部の空胞を確認し、空胞がなるべくないものを選択して顕微授精に使用します。
報告だとIMSIを併用した顕微授精の妊娠率は49.7%、併用しない顕微授精では39.7%で有意にIMSIを併用した顕微授精に高い妊娠率を認めています。
3)ZyMot スパームセパレーター
マイクロ流体技術は遠心分離や化学物質を使用しないため、精子に損傷を与えることなく前進性の高い精子を抽出することが可能であります。
この技術による精子選別ではゲノムの完全性が高くなり、精子クロマチン断片化を減少させます。
マイクロ流体技術で選別した精子で顕微授精を行なうと、正倍数性胚が増え、臨床結果が改善されたという報告が多くあります。