昨年4月以降の体外受精保険適用になって採卵数が劇的に増加したことから2台目のGERIというタイムラプス培養器を購入しました。
現在胚培養は、全てタイムラプスを用いて培養しています。
この利点は、胚の受精確認、分割期胚、胚盤胞の確認を取り出さなくてよいという最大のメリットがあります。
胚は、なるべく空気に触れさせないことが重要です。
このGERI型のタイムラプス培養器は、優れた点が2点あります。
一つは、全て個別の胚を各部屋で培養しますが他の部屋を開けても他の培養しているガス濃度に変化を起こさないという素晴らしい性能です。
もう一つは、AI診断ができ、3日目の胚=卵子のグレードを判定し妊娠の確率を推定できることです。
グレードをこのタイムラプス培養器を導入してから妊娠率が上昇しました。
昭和から平成になった頃(体外受精の初めの頃)に、日本で最初に体外受精を行った鈴木雅州先生が体外受精の妊娠率を上げるためには、設備にお金をかけることですと言ったことを今でも鮮明に覚えています。
これは、胚をなるべく外に出さない、培養室はクリーンにすることを意味します。
当院は空調にヘパフィルターを入れ、陽圧にして準クリーンルームにしております。
これからも培養環境をより整えていきたいと考えております。