発表テーマ
「GnRHアゴニスト併用ホルモン調整周期を用いた凍結融解胚移植の治療成績の検討」
発表内容
凍結融解胚移植のプロトコールには、自然周期とホルモン調整周期があります。
ホルモン調整周期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を用いて子宮内膜を調整する周期で、さらにホルモン分泌や卵胞発育を抑えるために点鼻薬(ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト:商品名ブセレリン)を併用するホルモン調整周期があります。
凍結融解胚移植周期における点鼻薬使用の臨床結果を検討してみました。
発表内容の一部を下記に表にして示します。
(1)周期毎の妊娠率の比較検討
①点鼻薬+ ホルモン周期 |
②ホルモン周期 | ③自然周期 | 有意差 | |
治療総数 | 152 | 552 | 53 | - |
臨床的妊娠数 | 105 | 255 | 21 | - |
臨床的妊娠率 | 69.1% | 46.2% | 39.6% | ①と②の間に、有意差あり ①と③の間に、有意差あり |
(2)不妊原因別臨床的妊娠率の比較検討
①点鼻薬+ ホルモン周期 |
②ホルモン周期 | ③自然周期 | 有意差 | |
PCOS | 83.3% (35/42) |
45.4% (54/119) |
44.4% (4/9) |
①と②の間に、有意差あり ①と③の間に、有意差あり |
卵巣予備能低下 | 52.3% (23/44) |
49.5% (90/182) |
21.1% (4/19) |
①と②の間に、有意差あり ②と③の間に、有意差あり |
卵管因子 | 71.4% (5/7) |
54.2% (13/24) |
75.0% (3/4) |
- |
男性因子 | 33.3% (5/15) |
54.4% (37/68) |
45.5% (5/11) |
- |
子宮内膜症 | 54.5% (6/11) |
46.4% (13/28) |
66.7% (2/3) |
- |
排卵障害 (PCOS以外) |
66.7% (10/15) |
53.6% (30/56) |
33.3% (1/3) |
- |
原因不明 | 88.9% (16/18) |
50.7% (38/75) |
50.0% (2/4) |
①と②の間に、有意差あり |