今月は、多嚢胞性卵巣PCOについて述べました。
排卵障害のために妊娠を希望される方には、排卵誘発剤を使用するのがベストです。
基本的には、内服薬(クロミッドなど)と排卵誘発剤の注射薬併用で行います。
内服薬は、自然周期の卵胞刺激ホルモンを誘導して卵胞刺激を行いますのでPCO症例には効果はありません。
内服薬併用でも妊娠成立しない場合は、注射剤のみの排卵誘発を試みます。
排卵障害の病態ですから、誘発剤の使用量は個々に違います。
重症の方は、注射薬の濃度が濃くなり卵胞の数が多数になってしまう場合があります。
私自身の経験でも、PCO症例の方でタイミング法にも関わらず四つ子ができた経験が一例あります。
重症排卵障害で注射濃度が多くなり、卵胞が多数できる症例はできれば体外受精が良いかもしれません。
当院でも最近2例の重症PCO症例で1回の治療で妊娠されました。
もちろん充分排卵誘発をトライされてご夫婦が納得されることが重要です。