質問者
タイミング法で妊娠できなかったので人工授精を考えています。
精子の数が充分あるので人工授精だと確実に妊娠しますか。
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
基本的には、タイミング法も人工授精も同じです。
射精された精子が全て受精の場である卵管まで到達するわけではありません。
人工授精は、子宮の奥(卵管の近く)に精子を送り込みますので卵管に到達しやすくなります。
人工授精の方法は、昭和末期までは精液の原液のまま子宮に注入していましたが、下着の繊維や菌等が入っているため非常に不潔でした。
現在の人工授精は培養液と混合させて遠心洗浄した後、精子だけを回収し、動いている精子のみを子宮内に送りますので衛生的です。
この洗浄後の運動精子数が1,000万以上あると充分な数と考えられています。
初期の論文では人工授精で妊娠の基準値として洗浄後の運動精子数が1,000万以上と報告されていましたが、その後500万、100万と基準が不明確になりました。
2018年に当院が新潟で発表したデータでは、人工授精では精子数と妊娠率は比例しないことがわかりました。
注入した運動精子が5万~100万と非常に少数の精子数でもその妊娠率は15%ありますので、精子数は重要なポイントではありません。
人工授精で妊娠例の平均排卵数が2~3個であり、非妊娠例の1~2個と比較して有意な差がありましたので、人工授精で重要なポイントは卵子であると考えられます。