質問者
妊娠に気づかないで、インフルエンザワクチンを接種してしまいました。
妊娠5週だそうです。胎児に影響は出ますか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
インフルエンザワクチンを妊娠中誤接種しても、妊娠を諦めなければいけないということはありません。
ワクチンには、弱毒生ワクチンと不活化ワクチンがあります。
風疹や麻疹(はしか)などの弱毒生ワクチンは、接種された病原体が体内で繁殖して、血液内で増殖し胎児に感染する可能性があるため妊娠中は禁忌です。
インフルエンザワクチンなどのような死菌不活化ワクチンは体内で増殖せず、胎児には感染しないので妊婦でも使用可能と考えられます。
妊娠中の使用については、「妊娠初期ではワクチン接種の有益性が危険性を上回る場合のみ接種可能」となっています。
具体的には、感染リスクが高い場合や、感染により重症化する合併症がある場合が対象となります。
妊娠4週4日から7週6日までの器官形成期(薬剤に対して絶対過敏域)には接種しないほうが良いという考えもありますが、実際に接種しても胎児に異常は認められていません。
欧米では、20年以上前からインフルエンザワクチン接種は、利益が危険性を上回ると結論を出しており、妊娠中のインフルエンザワクチン接種を推奨しております。
このように、妊娠初期でもインフルエンザワクチン接種の危険性はかなり少ないと考えられます。