質問者
左の卵巣が腫れて5cmくらいの卵巣嚢腫があると言われ、1か月後その卵巣嚢腫がなくなっていました。どういうことなのでしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
多分、卵胞(卵子が入っている袋)が排卵できなくて大きくなったものと考えられます。
卵胞は、月経時5㎜前後で20歳代だと20個くらいあり、ひとつ選ばれて20㎜になり排卵しつぶれて黄体になります。
排卵しない(卵胞がつぶれない)で20㎜以上に膨れてそのまましばらく残ることがあり、これは黄体化未破裂卵胞症候群という病態で、この場合でも生理周期は順調です。
順調に生理が来ていても、必ずしも排卵しているわけではありません。
基礎体温をつけて高温相(36.7℃以上)が10~14日間続けば9割方排卵している可能性がありますが、高温相になっても排卵していないこともあります。
正確に排卵しているか確認するには、超音波で診察しないとわかりません。
未排卵で何か症状がある場合は、腹痛が起きることがあります。
特に、排卵日周辺で性交があると未排卵の卵胞が刺激を受けて卵胞内に出血が起きて、かなりの痛みを訴えられる症例も経験しております。
対処の仕方は、痛み止めを内服すれば概ね1週間以内で治ります。
なぜ、このような未排卵が起きるのかは不明な点が多いですが、経験上卵子が入っていない空卵胞(空胞)の時に多く見られると考えられます。