質問者
避妊に失敗した時のピルはいつ飲むのでしょうか?
効果はありますか。
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
避妊に失敗した時に使用する薬をアフターピルと言い、これには二種類あります。
レボノルゲストレルという黄体ホルモンの内服薬(LNG法)と、子宮内に装着する銅付加子宮内避妊器具(Cu-IUD法)、つまり避妊リングです。
後者は、性交後120時間まで有効ですが、金額が高価で、リング挿入自体で感染傾向があるため、一般的に内服薬が主体になっております。
内服薬について説明いたします。
避妊率は、性行為から24時間以内であれば95%、24~48時間であれば85%、48時間~72時間であれば58%で、72時間を過ぎると避妊効果はありません。
その副作用発現率は、悪心23%、下腹部痛18%、頭痛17%、嘔吐6%です。
以前は、中用量ピルを2錠内服し、12時間後に内服(ヤツペ法)してもらっていました。
その避妊率は、性行為から24時間以内であれば77%、24~48時間であれば36%、48時間~72時間であれば31%です。
副作用発現率は、悪心51%、下腹部痛21%、頭痛20%、嘔吐19%で、喫煙者、高血圧の方には処方できません。
各作用機序(薬が治療効果を及ぼす仕組み)は、LNG法やヤツペ法は排卵の抑制や遅延を起こし避妊を可能にするもので、Cu-IUD法は、精子の生存能力や機能を抑制することで避妊を達成するものです。