質問者
月経不順のため検査したら男性ホルモンが高いと言われました。
男性ホルモンが高いために、女性ホルモンが少なく生理が来ないのでしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
おそらく言われている男性ホルモンとは、テストステロンというホルモンのことだと思います。
これは、男性ホルモンの別名アンドロゲンというホルモンのひとつで、コレステロール、黄体ホルモンから造られています。
これが酵素 (アロマターゼ)で変換され、女性ホルモンの代表格である卵胞ホルモン(エストラダイオール)になります。
よってテストステロンは、卵胞ホルモンの重要な原料でもあります。
テストステロンが高い値を示す病態は、多嚢胞性卵巣( polycystic ovary, PCO )という病名で、排卵障害の7割を占めると言われています。
日本では、生殖年齢の10人に1人に認められています。
多嚢胞性卵巣の原因には4種類あり、自然周期でも生理がある例や、排卵誘発剤でも治療に抵抗してなかなか排卵ができない例もあります。
テストステロンが高いので女性ホルモンはある程度ありますが、排卵しないため黄体ホルモンが出ず月経不順になるのです。
テストステロンを体外受精などの排卵誘発時に併用すると採卵数が多くなると言われています。
卵子数を増やすために当院ではテストステロンの元となるDHEAを使用しています。