質問者
人工授精と体外受精はどのように違うのですか。
妊娠率は、どちらが良いのですか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
人工授精と体外受精は、全く違うものです。
人工授精は、1970年に膣内射精障害の症例に行い妊娠したのが起源です。
子宮内腔に運動している精子を確実に注入することを目的にするもので、基本的にはタイミング法と同じです。
タイミング法、人工授精の治療を一般不妊治療と言います。
体外受精・顕微授精は、卵子を取り出し体外で受精(授精)を行ない、受精を確認してより良い受精卵を子宮内に戻します。
卵子を直接取扱う医療を生殖補助医療と言います。
すべて卵子の有無、受精の有無、受精卵のグレードを確認できるところが、タイミング法や人工授精と違う点です。
このように受精したより良い受精卵を確認し移植しますので、体外受精などの生殖補助医療のほうが妊娠率は高いです。
当院昨年の生殖補助医療の妊娠率は、対胚移植周期で50. 7%(人工授精は25. 0%)でした。
生殖補助医療の妊娠率は、女性の年齢と採卵した卵子の数で妊娠率は決まっております。
ちなみに人工授精でも排卵数が妊娠率の重要な要因になっております。