質問者
妊娠中のアルコールはよくないといわれますが、妊活中のアルコールはどうでしょうか。
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
以前よりお酒と不妊の関連を指摘する報告はありましたが、明確なデータはありませんでした。
最近、月経周期の各時期におけるアルコール摂取量と受胎能力の関連を示す報告がありました。
受胎能力という言葉は、原文の「fecundability」を直訳するとこの表現になります。
このコラムで紹介している妊孕能(妊娠する能力)と同義語になりますので以後妊孕能と表記します。
報告内容は、413名の対象者を5年間追跡調査し、アルコール摂取量を最長19か月間調査した内容です。
なお、アルコール摂取量はビール約350ml、ワイン150ml、蒸留酒45mlを各々1杯として1日の飲酒回数として計算しています。
その内容は、排卵期には多量飲酒(1週間に6杯以上)の人は、飲酒をしない人より妊孕能が低下していました。
また、排卵後にあたる黄体期では中等度飲酒(1週間に3~6杯)、多量飲酒の場合共に、飲酒をしない場合より妊孕能が低下していました。
排卵前には、関連性は指摘されていません。
妊娠希望の方は、排卵∼黄体期にかけて深酒はなさらない方がよいかもしれません。