質問者
妊娠前にはしかの抗体を調べたいのですが、他に調べたほうがいい抗体検査はありますか?
ジビエの肉を食べるのですが、トキソプラズマなども調べたほうがいいでしょうか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
はしかは、麻疹ウイルス感染で感染力が強く、抗体がなければ100%発症します。
発症の大部分は9歳以下、半数以上が2歳以下です。
成人が発症すると重症化することが多く、重症合併症や死亡例もみられます。
妊娠中に感染しても、胎児への奇形はみられませんが、流死産があります。
感染予防が第一ですので、抗体検査をおすすめします。
妊娠中の、特に胎児への影響があるものは風疹ウイルス感染です。
妊娠3か月以内に感染すると、胎児の奇形率は20%と言われ、妊娠4~5か月では聴力障害、色覚異常などを起こします。
風疹ウイルスも、ぜひ抗体検査してみてください。
これらは小さい頃に自然感染していれば、通常一生免疫ですので今後感染することはありません。
トキソプラズマは、牛・鳥・馬・鹿肉などの加熱処理が不十分な場合、土中や猫の糞などにオーシストという状態で存在し感染します。
妊娠中、初感すると胎児に水頭症などの催奇形性があります。
妊娠中の初感染のみ先天性感染の可能性があります。
日本では、約0.05%、年間600人程度の感染頻度です。
ご心配であれば、こちらも抗体検査を妊娠前に調べてみることが必要かと考えます。