質問者
体外受精は、どうして妊娠率がいいのですか?
回答者:医療法人社団 大島クリニック 院長 大島隆史
排卵誘発剤の使用量の違いです。
一般不妊治療では、75~150単位の注射が適用で、体外受精などの生殖補助医療では、225単位から開始し、必要であれば300単位以上450単位まで適用となっています。
単位数が上がると刺激される卵胞数が多くなり、比例して採卵で獲得できる卵子の数が多くなります。
欧州の医学雑誌『Human Reproduction』2011年7月号にどの年代においても採卵数と生児出産との間には相関を認めると報告されたことより、採卵数は妊娠率のマーカーと考えられます。
具体的には、34歳以下の採卵数20個で生児獲得率は40%で、通常妊娠では最もよくて25%の生児獲得率ですから、生殖医療では驚異の数字です。
ただ、卵胞が多くなるとホルモン値が高くなり採卵後卵巣が腫れて重症になるといわれていますが、体外受精ではこの点も解決できます。
排卵させる注射をせずに、自然周期で排卵させるホルモンを誘導すれば重症化を防げて、受精卵を凍結して別の周期に移植すれば重大事にはなりません。
本年1月新潟市で当院の治療成績を発表し、その有効性と安全性を発表しました。
詳細については、HP cocola妊活プラスで詳しく説明させていただきます。